人材育成のヒント

同じ声がけでも

Aさん、道端で困っている知らないCさんに「大丈夫ですか?」

Bさん、朝指示したことと違うことをやっている部下Dさんが、機械の操作画面を見て止まっている姿を見て「大丈夫か?」

同じ声がけでも、恐らくAさんとBさんの声がけの意図は異なっているだろう。

Aさんは、困っているCさんを助けてあげたくて勇気を出して声がけしたかもしれない。目の前にいる人を助けたい「for you(人のため)」の気持ちが大きい。

Bさんは、機械の前で固まっているDさんを助けたい、という気持ちもあるだろう。しかし、それよりも自分の指示したことをいつになったらやるのだろう。自分の不安からくるイライラを解消するための第一歩として声がけをしたのであれば「for me(自分のため)」の気持ちが大きい。

更に、Cさん、Dさんにもその人の状況があるし、他人であるAさん、Bさんがどう思っているのかを推し量ることが難しいので、思ったような反応が返ってこないことは、たびたび起こる。

道端で困っているCさんの状況により異なる反応の例

「大丈夫です、ありがとうございます。」

「・・・・・・・・(無言で立ち去る)」

「あ、ちょっと教えてもらえますか?実は・・・」

機械の前で止まっているDさんの状況により異なる反応の例

「先にこっちの作業をすすめておいてから、言われたことにとりかかろうとしたのですが、思うような設定ができないっすよ」

「・・・・・・・ええ、・・・・・・(何か考え込んでいる)」

「この設定って、どうでしたっけ??」

会話のパターンは、お互いの状況が千差万別なため、行く通りでも無限に広がっていく。

止まっている人を見て「大丈夫ですか?」と声を掛けても、相手の反応は予測不能である。更にこちらは返ってきた言葉や強弱、表情などから相手の言いたいことを読み取り、とっさに返すということを日常的に繰り返している。

それら人とのやり取りをパターン化することは難しい。

状況を限定すれば、ある程度会話がこのように進むという事例を設定することは出来るが、限定した状況が、その人の目の前で繰り広げられるかとういと、その確率はかなり低いのではないだろうか。

お互いを知り合うためことを目的とした日常の雑談であれば、会話がどちらに進もうが受け入れられるだろうし、広がりがあったり予期せぬ情報が得られたほうが奇想天外で面白い。

しかし、AさんやBさんのように意図を持った声がけをした場合、その方向が自分の思わぬ方向に行くことは、結構ストレスになるだろう。

特にBさんの場合は、自分の欲求を満たすために発した声がけだから、何としても自分のストーリーに会話を持って行こうとする。それが自分に与えられた使命だ、と思い込むかの如くだ。

企業における人材育成として職場のリーダー達に、このような部下とのコミュニケーションの取り方を研修で行う場合、上記のような理由(太文字箇所)から、なかなか受講者が納得を得られるカリキュラムを作ることが難しい。

このような場合どうしたらいいか。

1.いったん、意識を自分から手放す

自分の言いたいことを言う、やらせたいことをさせるという意識だと会話が成立しない。なぜならば相手にも状況があるから

2.相手の状況を知るように努める

相手のことが理解できれば、それに合わせた会話の進め方を組み立てることができる

3-1.そのうえで自分のストーリーに誘導する

部下よりも一段高いところから職場の責任を持っているリーダーは、責任を全うすることが使命なのでしょうね

3-2.そのうえで相手の状況をまず解決してやる

部下の考えを理解し、目の前にある状況を解決することで会話が次にスムーズに進めることができる

では、どうしたら、このように進めることができるのか。

そのためには “質問の魔力へ”

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