先輩としての役割に気づく研修 ~ 共通の体験編 ~
新入社員のメンターとして
新入社員のメンターとなる方たちに対しての研修を行ったときの一コマです。
前半は、メンターの役割や心構えを重点にお伝えして、後半はいよいよメンターになることを自分事にしてもらう演習に入りました。
メンターといっても、新入社員とは10歳以上年齢が離れている人がほとんどで、もうすっかり社会人として完成している方々ですから、どうしても頭での理解になりがちです。
もっと言うと、なんで私たちがメンター?と思っている人もいるだろうことは想像に難くないです。仕事が忙しいのに、余分なことを押し付けられて。そもそもこんな研修に出ても、と他人事の人もいるかも知れません。
受講者自身それぞれの経験を通じて、自分ごとに
そんな人たちにメンターという新入社員にとっては心強い味方で、新しい人を迎え入れる組織には必ず必要な重要な役割を、その意識をもって臨んでもらえるように一工夫してみました。
受講者は皆、小学校、中学校、そして高校と歩んできて、似たような経験をしてきています。時に変わった経験をしている人もいますが、社会に出てからのことと比較すると、異なる地域、学校や卒業年度であっても、共感し合える経験を積んでいるのでは、と考えました。
メンターを自分事にしてもらうために、自分が学校で学んでいたころにタイムスリップしてもらおう、という試みです。
「人生すごろく」を通じて、過去にタイムスリップ
使った教材は、日本キャリア開発協会というところで販売している「人生すごろく」です。
小学校時代にどんなことに熱中していたかとか、なりたかった職業とか、得意だった教科だとかを、みんなで思い出して話し合うというカリキュラム。自分の過去のことは、一人では思い出せないものですが、他人の経験から自分のことを思い出し、あのころの情熱だったり、夢を語り合うのです。
自分のことを人に話すのが苦手な人もいるのですが、そういった場合には、ゲームで強制的に参加者全員が拍手をして、その人の経験を受け入れるという仕組みもあるため、大変盛り上がりました。小学校のころになりたかった職業などは、大爆笑を取る夢を持っていた人も1グループに一人はいるため、会場全体が温かい空気に包まれていました。
新入社員の頃に立ち返ることで、自分の役割を認識する
人生すごろくの目的は、彼らに学生の頃を思い出してもらい、自分が新入社員の時にどのくらい不安を抱えていたのか、社会人の先輩にどのように接してもらったらうれしかったのかを思い出させることでした。
人それぞれその効果は異なるとは思いますが、メンターに指名されたからという押し付けられた役割ではなく、新入社員を通して自分と同一の人と見ることができれば、この研修も効果があったかなと思います。