職場のリーダー達との懇談会の目的

職場のリーダー達との懇談会の目的
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上司と部下の面談(1on1)の準備

今週、組織開発の関与先である製造業のリーダー達との懇談会がスタートしますが、その内容をどうするのか検討中です。

彼らの求められるゴールは、組織のトップに自分の考えを伝えるというものです。組織の管理者クラスの1on1の準備だと考えてもらえれば分かりやすいかと思います。組織のトップには、別の準備として、傾聴トレーニングをすでにズームで始めています。
トップからの要望としても、彼らの話をちゃんと聞いてみたいので、このようなスタイルでの介入を考えました。
まとめると下記の2つの方法です。

・組織のトップには、1対1での傾聴トレーニング

・リーダー達には、複数人が集まる懇談会

そもそも、面談が実施できない理由があった

なぜ、このようなことになったか。
以前この会社ではトップが社員全員に対して面談を行っていたのですが、ここ1年以上その面談をする機会がなくなってしまったことが事の発端です。その理由を、関係者に聞いていると下記のようなことが挙げられました。

  • 人手不足で、面談をする時間がない
  • リーダーたちが自分の考えを話そうとすることをあきらめている
  • 組織のトップがコミュニケーションスキルが高いため傾聴せず、自分の考えを押し付ける

そこで、私たちが組織開発としてその企業に関わって「面談ができない理由を取り除くため」に行い始めたのが上記の2策です。

根底には、人間関係の悪化があった

さて、この記事の本題。

リーダー達との懇談会の目標は、
「リーダー達に自分の考えをまとめ、できれば短時間で、自分たちがこうしたいということを話せるようにする」。

なのですが、それに至った経緯は、この組織での人間関係の悪化です。
悪化が理由で人の離職率が上がり、更に、精神的な理由で長期欠勤者も数名出ているため、職場の人間関係の悪化を食い止めるため、まずは、キーとなる組織のトップとリーダーたちが腹を割って話そうというところまでこぎつけました。

私たちが組織開発で関与して、ほぼ1年くらいかかって、人間関係悪化の総本山にたどり着くことができたと思っています。

話したがらないリーダー達

そして、その第一回目のリーダー達との懇談会を今週予定しています。で、どうすればいいかで悩んでいるのです。

その理由は、リーダー達が、自分たちのことを語りたがらないためです。
以前、数回にわたって面談する機会をもらったのですが、あまり積極的に話をしてもらえませんでした。何回か回を重ねれば関係性が向上して話してもらえるかなと思いましたが、時間がない、仕事が忙しいとの理由で、面談は終わってしまったのです。

話しやすいテーマの選定

なぜ、自分のことを話したがらないのかを、いろいろ彼らの立場に立って考えてみたのですが、理由の一つに「劣等感」があるのではないかと推測しました。自分のことを好きになれない、いわゆる自己肯定感が低いのではと。

なので、まずは劣等感を払しょくしてもらうために、自分の人生の中で得意なことを話してもらおうかと考えました。
そしてその先に、やりたいことが見つかり話したい気持ちになるかも知れない、と思っています。

具体的に話してもらえそうなテーマを、いくつか用意しました。

  • 何かに熱中したことがある
  • 人より早く終わらせることが好きだ
  • じっくり考えて原因を見つけたい
  • 人より早く気づきたい(見つけたい)
  • 人が困っていることを手伝いたい

懇談会の目的の共有

更に改めて、懇談会の目的を明確に設定しようと思っています。

  • 同じ悩みを持った人が集まり、今の自分の悩みや問題を話す場にする
  • 自己理解を深める、肯定感を高める場にする

このような場の設定に心掛ければ、下記のような効果が生まれ、うまくいけば彼らの口が軽くなるかも知れません。

・他の人たちの悩みを聞ける

・自分のことを話して楽になる

私たちのスタンス

そのような場づくりのために私たちの注意点としては、下記を心掛けます

  • キラキラしない(私たちは前向きだよ、ポジティブだよ感を出さない)
  • 結論を急がない、結論を求めない

懇談会のルールと今後の方向性

懇談会の決めごとは、下記のようにしようと思っています。

  • 懇談会で出た話しは、参加者みんな他では話さない
  • 他の人の話を否定しない
  • 途中で話しやすくするため、立ち止まるための振り返りをする

組織のトップとは下記のことを取り決めて、スタートを切る予定です。

  • 劣等感を持ったまま、「時間が来たから、さあ工場長と面談しなさい」は難しい
  • リーダー達とは定期的に懇談会を行うので、トップとの面談時期は任せてほしい

さあ、これからどうなっていくのでしょうか。プロセスに注力して臨もうと思います。

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