工場のリモートワークは可能か
メディアで取り上げられたり、政府が推奨しているコロナ拡大防止の働き方であるリモートワークやテレワークの対象者には、「工場勤務は含まれていないのではないか?」と私は思っている。工場勤務だけではなく物流ドライバーなどもそうだ。
病院関係者も含まれていないが、私たちの命に係わる比重が誰にでも理解でき、その功績をたたえるためにも、いろいろ取り上げられているのはなによりだ。
工場のリモートワークをアフターコロナとして考えてみると、コロナ真っ盛りの頃とそんなに変わらないと思ってしまう。なぜならば、そもそもリモートが進んでいないばかりか、製造する製品によっては、生産が追い付かず非常事態宣言中のGWも、休日出勤していた工場もあるのが現実だ。
しかし、本当に工場のリモートワークは無理なのだろうか?
工場で働いている方々は医療関係者よりはるかにリスクは低いだろうが、それでもテレワークで働いている人に比べれば通勤も含めると、コロナに罹患する可能性は高い。それをほっておいていいのだろうか。
やはり世の中が働き方を改革していこうという時に、このコロナ騒動が起こったので、これをきっかけに絶対無理なのかどうか、少しでも可能性を探ってみたいと思う。
ちなみに、テレワークとリモートワークの違いも調べてみた。
テレワークのほうが昔からある言葉だということ以外、基本的には大きな違いはないようだ。しいていうと、テレワークは家にいながら、会社のサーバーにアクセスしてエクセルやワードの資料を作成するというイメージで、リモートワークはもう少し専門性の高いITスキルを使い、会社の、もしくは遠く離れたOA機器や機械を操作する、といった意味に使われているようだ。
詳細はこちら
↓
https://teleworkers.style/knowhow/55/
さて本題に戻って、工場で行う作業を分類してみた。
生産にかかわる仕事はその種類は膨大にあるため、考え方を整理するために、一部を抜粋しただけと受け取ってほしい。
1.工場でやらなければならないこと(抜粋・生産に直接かかわる業務)
・機械調整やトラブル対応(チョコ停など)
・材料の機械へのなど
・物の移動(部品、仕掛品、完成品、工具、機械)
・段取り作業
・検査、測定
・受け入れ検品作業や出荷作業
2.工場に人が集まってやったほうがいいこと(人との同期をとるため)
・情報や方針、思いの共有
・共通の問題や課題解決のための意見交換
3.工場でなくてもできること(非同期=一人でできること)
・報告書の作成
・改善提案を考えること
・生産管理、工程管理
私は工場で15年程度働いていたので、このような書き出したものを見せられて検討するように言われれば、即座に無理、出来ない、と断っただろう。
しかし今は一歩離れている立場で、自分のやってきた仕事を改めて見直してみると、
「1.工場でやらなければならないこと」の中にも、ひょっとしたら工場が稼働してない時間や場所でもできるものもあるのではないか、と思った。
また、「3.工場でなくてもできること」を考えると、もし一人でこれらの仕事ができるのであれば、飛び込みや確認の依頼や作業が入ってこないため、効率の良い質の高い仕事ができるかもしれない、と思った。
工場は「全員集まってラジオ体操して朝礼をして、8時にスタートし、17時に終了する」という前提でこれまで動いてきたのだが、その前提が本当に必要なのか?と見直してみる時期に来たのではないかと思う。
工場全体をリモートワークできるわけではなく、現在の人員を、例えば5分の1だけをリモート化することはできないだろうか。それが可能であれば、計算上週のうち1日が自宅で仕事ができることになる。
もしくは、工場のシフトの組み方が、所定労働時間8時間にプラス2時間の残業としているものを、所定労働時間の8時間で抑えることができるのではないか。
そう思って探してみると、工場のリモートワークに関していろいろな情報が出てくる。
工場の物探しの時間を少なくするIoTサービス
↓
https://www.xeye.jp/xeyetips/telework-iot.html
町工場でIoTを導入してリモートワーク(一部有料記事)
↓
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/03983/
こういうことを提案すると、家に仕事を持ち込みたくない、とか、サービス残業はしたくない、という否定的な意見が出てくると思う。
リモートワークは、ホワイトカラー業務においてもコロナ前は強制ではなく選択肢としてあげられていたが、コロナで強制的にテレワークをせざるを得なくなったわけで、変わることの不安は変わることで解消できる、もしくは改善されていくものと思う。