組織開発の苦労

もくじ

私の中の探求心

このブログでは、「組織開発」についても記事を書いている。まだ聞きなれない言葉であるようだし、一般の人が言葉からイメージするものも固定していないと考えている。例えばネットで「中小企業」「製造業」「組織開発」と入力してヒットするページを見ると、バラバラの内容が上がってくる。

そもそもそのようなイメージが固定していないことを、先陣を切って取り組んでいくのが好きなので、組織開発の記事を書き続けている原動力となっている。

組織開発とチームビルディング

一般の人がイメージできる言葉に組織開発を訳すと「組織の活性化」「チーム力向上」「イキイキ職場づくり」といったことになるだろう。

チームビルディングなどは組織開発と類似している部類である。一般的かどうか分からないが、少しはイメージしやすいかも知れない。私の解釈では、チームビルディングとは組織開発を行ううえでの手段、手法を指すことに現在は使われていると思う。例えば「チームビルディング研修」「チームビルディングの進め方」など HOW(どのように)をあらわすときに使われるケースが多いのではないだろうか。

組織開発への思い

さて、最初に組織開発という言葉を知ったときの衝撃は、今でも忘れられない。

これまで単発の研修では、毎年同じ会社からオーダーを受けて行うシリーズ物の研修を15年ほど勤めてきた。ただ、何か違うという違和感を覚え始めて、もっと継続的に企業で働いている人たちに支援ができないかな、働きかけができないかな、を目指していたところ、本やネットを調べていてたどり着いた言葉だ。

今までの経験を活かして、企業で働く人に貢献して企業が発展してくれればとの思いが、私の組織開発という言葉のイメージに込められている。(自分だけの勝手な解釈かも知れないが)

理論から実践への厳しい道のり

本格的に取り組み始める準備を始めたのが、2019年夏だったと記憶している。

今日は2020年6月末、ということで約1年間、いくつかトライアルを重ねてきた。本も読んだし、資格も取ったし、何よりも自分の考え方を大きく変化することができた。しかし、この1年で組織開発という言葉にあこがれを抱いていた私が、もろくもその幻想を打ち砕かれそうになることも経験してきた。

そんなに簡単なもんじゃありゃへんで~~。ということだ。

新しいことを始める時には、参考にする本や実践したものを入手し参考にするのだが、組織開発として入手するものは、自分が取り掛かろうとしているものとは似て非なるものだった。それは、自分が取り掛かろうとしている企業がそうなのかも知れないが、巷にあるノウハウがほとんど参考にならないのだ。理由は3つある。

  • 組織開発は、組織が大きい大企業を対象として行われてきたもので、私の対象は社員が100名程度の小企業であること
  • 組織開発手法で現在メジャーなのが1on1だが、このような手法はホワイトカラーが主体となっていて、私の対象は製造業であること
  • 本当に組織開発進めたいを思う人が誰なのか、企業の中で見つけるのに苦労すること

これらが挙げられる。

なので、本で述べられている情報を現実に変換しないと机上の空論になってしまうし、そもそもそんな人たちって企業にいないから、という突っ込みを入れたくなるのが現実だ。

実践してこそ見えてくるもの

このブログでは、このようにネットなどで入手できる手法を、現実に落とし込んで、一歩前進して二歩下がることを繰り返していく中で見えてきたことを書いていこうと思う。

例えば、1on1だが、これは面談をする管理職に、コーチングもしくはカウンセリングのスキルがないと成果が上がりにくいものだ。

だが、実際の管理職に求められるのは、「部下に対して厳しく言うこと」「部下の出来ないところを、出来るようにさせること」などであるから、その人たちに部下の話を(それも個人的な雑談を)黙って30分以上聞いていろ、という方が無理なことなのである。現実は。

間違ってほしくないのは、1on1という手法そのものは有効に用いることができれば大変効果的な手段であり、たとえ傾聴が出来ない上司であっても、面談の時間を仕事中に持つことの意義は私も認めている。

組織が中から変わろうと思って、成長していくこと、発達していくには、時間がかかるということだ。先は長い。

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