工場でのプレゼンテーション研修
昨日、ある工場で現場リーダー向けのプレゼンテーション研修を行ってきました。
この工場では現場リーダーには工程の改善が役割として与えられ、改善スキルを向上させるために、他のラインの改善提案をしなければならない、という試練が与えられています。
工程の各作業の分析を科学的に行う
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改善案を考えてトライアルを何回も行う
↓
最も実効性の高い改善提案を実際に働いている作業者と責任者に行う
という運びです。
企画段階から自分の仕事の合間を見て改善を進めるので、半年以上かかるそうです。
工場での課題
それだけの時間と労力を掛けて行う改善提案ですので、実際に働いている作業者に受け入れてもらえるかと思いきや、そうはうまくいきません。
いざ提案となると時間が限られていますし、
- 関係が大いにある人
- それほど関係ない人
- そもそも今のやり方を変えることが嫌な人
- 他人からとやかく言われるのを好まない人
など、さまざまな人たちを巻き込んで「これはいい提案だ、取り入れよう」と思わせるのは指南の技です。
このような状況で、改善提案の内容がすばらしくても、それを伝えるプレゼンテーションがうまくないと、せっかくの苦労が水の泡になってしまうケースがあります。
製造現場のリーダーにプレゼンテーションのスキルを
そこで、「製造現場のリーダーにもプレゼンテーションのスキルをつけさせたい」というご依頼をいただき、研修を担当させてもらっています。
もう始まって7年になりますが、今年の受講者は8名でした。
例年とほぼ同じくらいの人数です。
プレゼンテーション研修が教育計画に組み込まれているので、改善を行うリーダーは全員受講します。
毎年、なかなか上手な方が1名いて、まあまあ話を聞いてて理解できる程度の方が半数程度、人前に立って論理的に話すのが苦手、上がってしまう方が1~2名いらっしゃいます。
現場リーダーのコミュニケーションレベルが以前より上がっている
今年は受講者の半数ほどが上手にプレゼンテーションされました。
中には人前で話すことが上手になりたいと希望を明確にされている方もいて、製造現場のリーダーも意識が変わってきたなあと感じました。
製造現場の方って、以前は「ものづくりをするのが好きなので製造業に進みました」とか、「人と話すのが苦手なので機械をいじっていられる工場勤務を選びました」という、どちらかというと人の上に立つよりも作業をしていたい考えの方が多い印象です。
リーダーの立場になれば、人に自分の思いをきちんと伝えられないと役割が果たせないので、おのずと意識が変わってくるのかもしれません。
もしくは、若者が全体的に学生の時から話をする機会に恵まれ、おのずとコミュニケーションを上手に取れるように育ってきたのかもしれません。
プレゼンテーション研修だけではなく、他の研修で接する現場リーダーの方も、驚くほど饒舌な方もいます。
現場リーダーに求められる能力が高まっていることを感じます。